【骨折時の服装 完全ガイド】腕・肩・鎖骨...服はどうする?男女別の着替えの悩みをすべて解決!
- 根本 雅祥

- 2024年11月5日
- 読了時間: 4分

突然のケガで腕や肩、鎖骨などを骨折し、毎日の「着替え」が激痛を伴う苦行になっていませんか?
「腕が上がらず、服が着られない」 「一人で着替えるのは不可能だ…」この悩みは、性別を問わず、経験した人にしか分からない非常につらい問題です。
この記事では、骨折時の服装に関するあらゆる情報を一つにまとめました。
「とにかく楽に着替えができる服」から、安全な着替えのコツ、男女それぞれの悩みまで、あなたの疑問はすべてここで解決します。
【最重要】まず覚えるべき着替えの基本原則「脱健着患(だっけんちゃっかん)」
骨折中の着替えで最も重要なのが「脱ぐときは健康な方から、着るときは患部(怪我した方)から」という原則です。これを「脱健着患」と呼びます。
着るとき(着患):怪我をした腕から先に袖を通す
脱ぐとき(脱健):健康な腕から先に袖を抜く
この順番を守るだけで、患部への負担と痛みを最小限に抑えられます。焦らず、安定した椅子に座ってゆっくり行うことを心がけてください。
一人で楽に着替えたいなら「脇が開く服」が最適解
「痛みなく」「自分一人で」着替えをしたいという場合は、性別を問わず、脇がスナップボタンで全開になる服をお勧めします。
例えば、骨折専用の服「KIRARERU」は、骨折をした人のために専門的に作られており、細かい工夫が細部に施されています。
着方はとてもシンプルで、腕を袖に通す必要がありません。普通の服のように、頭を通しボタンを留めるだけで、誰の手も借りずに、一人で痛みなく着替えが完了します(下の動画参照)。
ご家族に手伝ってもらう場合でも、手伝う側の負担を劇的に減らすことができます。療養中のご本人と、支えるご家族、双方のストレスを軽減する、最も確実な解決策です。
【緊急対策】骨折専用服がない場合に代用できる服装アイデア
専用服が手元にない場合でも、ご自宅にあるもので工夫する方法があります。
代用できる服:前開きのシャツ、カーディガン、ジップアップパーカーなど、羽織れるタイプのもの。なるべく大きいサイズを選びましょう。
素材の選び方:伸縮性のある、滑りの良い素材を選ぶと、よりスムーズに着替えができます。
【女性向け】特有の服装の悩みと解決策
特に女性は、下着の問題で悩む方が非常に多いです。
ブラジャー問題:ホックが前にある「前開きブラジャー」や、下から履くように着用できる「カップ付きキャミソール(ブラトップ)」がおすすめです。無理せず着用しない選択も大切です。
インナー:肌触りの良い、前開きのインナーが重宝します。
【男性向け】特有の服装の悩みと解決策
お仕事などで、決まった服装が求められる男性ならではの悩みもあります。
ワイシャツ・ネクタイ問題:通勤が必要な場合、一人でネクタイを締めるのは困難です。療養期間中は、上司に事情を説明し、ポロシャツや前開きのビジネスカジュアルウェアでの勤務を相談しましょう。
スーツの上着:こちらも一人で着るのは困難です。無理せず、職場に置きっぱなしにするなどの工夫が必要です。
【その他】ズボンや寝間着(パジャマ)の選び方
上半身だけでなく、ズボンや寝間着も「楽に脱ぎ着できるか」が重要です。
ズボン:ウエストがゴムになっているスウェットやジャージが最も楽です。
寝間着:体を締め付けない、ゆったりした前開きタイプのパジャマを選びましょう。
まとめ
腕や肩、鎖骨を骨折している間の服装は、「脱健着患」の原則を守り、「いかに楽に着脱できるか」を考えるのが全てです。
まずは身近な前開きの服で工夫しつつ、もし着替えの負担を根本からなくしたい場合は、専門の服を検討してみてください。毎日の着替えにかかる時間と苦痛がなくなるだけで、療養生活は驚くほど楽になります。
この記事が、あなたの辛い状況を少しでも和らげる手助けとなることを、心から願っています。
この記事の執筆者
根本 雅祥(ねもと まさよし)
医学コラムニスト、株式会社エスケア 代表取締役、東京大学大学院 医学系研究科 修了
自身の経験から、骨折や怪我で不便な生活を送る方々のサポートを使命とし、科学的根拠に基づいた情報発信や、生活の質(QOL)を向上させるための製品開発を行っている。




